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ワンダと巨像をプレイしての感想と考察です。
ICOと通じるものがありつつ、そのクリア後の複雑な悲哀が・・・

もうなんとも言えませんね。

別サイトで元々語ってたものですが、移行いたしました。

とりあえず、綺麗で、哀しく、切なかったです。
物語を進めている時から、決してハッピーエンドに向かって
進んでいるわけではないのは分かりました。
むしろ、これ以上はいけない。そんな気持ちさえするのに
ワンダはただ真っ直ぐに巨像に対峙していきます。

誰も口を挟めない決意。
誰も止められない強い意志。
そこに寄り添うただ一つの意思ある命であるアグロ。

インタビューを呼んで、今は更にそこに少女の声の意味の深さも
重なって、本当に切なく哀しい気分です。
でも、とても綺麗な絵画のようでもあると思います。

漠然とした感想はこんな感じです。
そして、やはり出てくるのがストーリーを深く追った時のキャラクターの関係ですね。
ICOとの関連を考えてみると、私もやはりワンダはICOよりも大分前の話だと思います。
角の存在、人類以外の「力ある者」の存在、儀式と人間の関係。
それらが特に説明される事無く出てきて、消えていく世界。
(まぁお約束的に一から十まで説明が無いのがこの世界のいい所だと思います。
解釈をある程度ユーザーに任せてもらえるゲームの方が、個人的に面白いと思うので)

「ワンダと巨像」のストーリーをまとめると、こんな感じかと思います。
ドルミンと呼ばれる「力ある者」が封じられている禁断の地
そこを訪れた主人公は、その「力ある者」の復活と引き換えに
魂を失った少女を甦らせようとした、己が身体を代償として。

さて、ではドルミンとは何者か>
いつ、誰が封印したのかはわかりません。エモンとドルミン自身の言動から、多分ワンダ達の住んでいる村か何かの先祖がやったのだろう事はわかりますが、その意図は不明です。
ただ、ドルミンはかなりそれを怒ってるみたいですね。
その点からみて、「力ある者」と人間の関係が友好的ではないと思われます。


次に少女>
話の核にいながら、存在感が薄かったのはやはり死んでいるからでしょう。(汗)
ただ、インタビューを呼んでちょっと存在感があがったかもしれません。
(とはいえ、それまで薄いってのはちょっと微妙だったかな?
もう少し巨像を倒した時に変化があるとよかったかもとは思いました)
何らかの儀式のために贄とされた少女。魂のみが抜け落ちている状態のようです。
(ほっとくと腐るって事でしょうか?それを考えちゃいけない?w)
まぁその点からはワンダは、儀式直後に少女の身体を奪ってきたという事でしょうね。
とはいえ、一度は儀式の為に失われた魂です。
ドルミンとの契約の元、身体に返ってきたとして、ではその少女の捧げられた儀式そのものはどうなったのでしょう?
もしくは、ドルミンに捧げるための儀式だったのでしょうか?
(ドルミンの封印が完全でないことが分かっていて、定期的に魂を捧げて
封印を存続させていたとか・・・・・)
流石にここは考えても納得というにはちょっと考えるピースがたりませんね。
でも、とても興味深い所ではありました。

エモンと村人>
ドルミンの存在、剣の使い方、禁術、それらを知り、
ワンダの意図を知り、追いかけてきた人たちですね。
てか、禁断の地の意味が分かってたなら、最初から橋なんぞ作るなと思ったのは秘密。
とりあえず、色々術が使えるみたいですね。
ワンダが16体目と闘っている時に、少女に何やら術をかけていたような感じだったので、少女の目覚めが遅れたのはその所為かな?と思ったりしていますが。
結局はワンダが16体目を倒し、その身に最後の欠片を宿した時点で契約が履行され、ドルミンは少女の魂の還元と交換に己の復活を遂げたのだと思います。
ただ少女に近寄ろうともがくワンダに、その剣をつきたてたとき、一体どんな気持ちだったのか、彼の姿が一体どう映ったのか、私には想像もできません。
でも、憎しみや怒りだけではなく、抗えない何かがあったのでしょう。
彼らにも守るべきものがあって、そのための掟です。
ワンダのした事は、確かに彼一人の我侭に過ぎなかったのは事実でしょう。
そういう意味では、確かにあの結末は仕方なかったのだと思います。
遅すぎたというだけで。
どちらも加害者で被害者なのだと思います、だから、彼ら自身に怒りは覚えませんでしたね。
いや、一人位橋からおちちゃえ!とか思ったのは事実でしたけど。。。汗

角>
ドルミンの欠片を身体の中に刻み込んでいった彼に現れた最も顕著な形。
ICOとの繋がりを最も大きく感じさせるものでもありますね。
私の考えとしては、「力」の具現化した一種の象徴だろうと思います。
復活したドルミンにも生えてましたしね。
ICOの時代は更に後と言う事なので、これらを踏まえた上で考えてみると
角ある子供=生贄の構図に至った原因はこの物語というのでいいと思います。
隔世遺伝か何かで角という「力」を持った子供が生まれた時、
ドルミンの復活、又はその力の覚醒を抑えるために逆に贄とすることで
それと同等の者を抑え、鎮めようとしたのではないかと思うからです。
(つまりICOでいう女王かなぁ)
まぁ、でも影人間(死人なのは私もこれで始めてしりました・・・
今思うと、確かにICOでも生贄の像からみんな出てきましたよね・・・・汗)
にも角があったのがいた気がしたんですけど、あれはどうなるのかな。
もしかして16に分けて封じる時にも「力ある者」が柱とされてたりしてw
なんてちょっとどきどきしたことも思いました。
いや、なんていうか、人に協力するタイプの人たちと、それと敵対した
ドルミンが!なんてね・・・・やっぱり行き過ぎかな?そこまでは。orz


何はともあれ、結局の所結論はでないですが
自分の中では大分結論じみたような落ち着きは取り戻しました。
赤子については、私も必要性は感じませんでしたが、ICOの時代への
布石として、また少女が今後一人でいきていくには辛すぎるという点を
考えれば、まぁそれもありかなと思ってます。
(ワンダが復活してくれれば一番ですが、それでは本当にご都合主義ですしね)

そして、最後にやはり今回の真のヒロインについて
アグロの存在の大きさは、巨像と対峙する度に大きくなっていきましたね。
共に駆け抜け、時には共に倒れて、最後には・・・・・・・
許されない事をしているワンダにとって、ただ一つ自分と共に来てくれる
命。なんて愛しい存在だったのだろう。
橋から落ちていく姿を見たときは、正直数分間コントローラーを持ったまま動けませんでした。
何が起こったのか理解できなかったんだと思います。
その後、何度も空しく口笛を吹きました。
届く事がないとわかっていても、風の吹き荒れる遺跡の真っ只中で、
口笛の音があんなに空しく聞こえたのは初めてでした。
ラストで、せめて少女にあえないなら、アグロには合わせてあげたかったです。
アグロは、古の祠に戻ってきて、きっと分かっていたんでしょうね。
その結末を全て。
やっぱり哀しくて、切なくて、そして綺麗だなと思いました。

このストーリーは、アグロとワンダの物語ですよね。
それでいいんだと思います。そして私はそれを楽しむ事が出来たと思います。
ICOと比べると劣るとかありましたが、私も別段そうは思いませんでした。
ワンダはワンダ、ICOはICOです。
どちらも綺麗で、だけど複雑で、でもどこか素直で、そして綺麗な世界がとてもいいと思いました。

追記、
でも、一つだけ思ったのは
巨像を倒した後の繰り返し、10体目位からもう少し変化があってもよかったかなぁと^^;
14,15体目倒しても全く同じだった時には、え?これでいいの?本当に次で終り??
って思いましたもの。はは
無題
赤ん坊は必要
ワンダは赤ん坊となることでその罪はイノセンスとなるのでは。
赤ん坊はイノセンスの象徴ですし
わんだと虚像 2012/03/23(Fri)09:30:11 編集
Re:無題
わんだと虚像様
貴重なご意見ありがとうございます。
赤ん坊は彼の罪の清算を意図しているという考え方も有りだと思います。
物語の筋としても問題はないですし、実際開発者はそう考えているのかもしれません。

ただ、私の中ではそう考えてしまうと、それはもはやワンダではないのです。
ワンダの罪は赤子の存在で消えるわけではないと思います。
それは、ワンダが罪だと知ってあの行為をしていたからだと思うのです。

赤子を形作る「元」は確かにワンダとドルミンかもしれません。
でも、あの赤子がワンダになることはないと思います。
彼の記憶と意志が受け継がれない限り。
そういう意味で、私はやはり赤子の存在は未来の話(ICO)の布石であり、少女のためという意味しかないように思えるのです。
もしくは、邪悪な力が封じられた、もしくは浄化された象徴としての存在。
ただ、これは私の意見なだけです。

全てが語られないゲームです。
だからこそ、プレイした人それぞれの解釈や考察があってもいいのではないでしょうか?
(勿論開発者の意図も大事ですが、説明しないということはユーザーに委ねるという意味もあると思うので)
わんだと虚像様のコメントは、貴重なご意見として参考にさせていただきます。
ありがとうございました。
【2012/03/23 20:10】
無題
息が詰まるような、美しいお話ですよね。
ダイナソー 2013/12/02(Mon)03:20:46 編集
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